クレール美容室のブログ

現役の美容師にしか分からない美容の本音を書き綴っています。

不当に高くてもブランド商品は売れちゃう?

昨日は化粧品メーカーの価格の妥当性についてお客様と話しました。

内容成分と価格のバランスが不当に高い物がたくさんあるけれど、宣伝広告や容器などにより、いかにも良さそうに見せるのがブランドの強みでしょうね。

最近のテレビCMで「スイーツのような化粧水」なんて素敵な台詞に心躍らされることもあるでしょうね。

ましてや綺麗な女優さんがそのような台詞をいえば・・・

で、現実にその商品を検証して見ました。


化粧水(しっとりタイプ)
全成分:水、DPG、
エタノールグリセリンミリスチン酸オクチルドデシル、BG、ジグリセリンマカデミアナッツ油、グリコシルトレハロース、コメヌカエキス、水添レシチン、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー加水分解水添デンプン、グリチルリチン酸2K、コレステロール(羊毛)、アセチルグルコサミン、水酸化K、キサンタンガム、メチルセリン、EDTA-2Na、カルボマー、香料、アルゲエキス、ヒアルロン酸Na、フェノキシエタノール

先ず、この製品のしっとり感の正体は赤色で示している多くの油剤と黒で示しているポリマーが配合されている事です(化粧水なのに?油)
なぜ問題なのか?と言うと紫で示している水と油を混ぜるために界面活性剤が配合されている事です。
リーブオンタイプの塗りっぱなしの商品なのに肌に界面活性剤を残すのは表皮の溶解性があるため敏感肌の人には使用は避けたほうが良いでしょうね。


これほどの油剤が入っていたら感触がしっとりする事は間違いありませんが、皮膚の代謝やバリア層の溶解には疑問が残りますね。

美容液
全成分:水、グリセリン、ジグリセリンエタノール
ジメチコン、マカデミアナッツ油、メチルトリメチコン、グリコシルトレハロース、DPG、ヒドロキシプロピルデンプン、加水分解水添デンプン、PEG-60水添ヒマシ油、水添ポリデセン、ポリアクリルアミド、BG、(HDI/トリメチロールヘキシルラクトン)クロスポリマー、コメヌカエキス、(C13,14)イソパラフィン、カルボマー、キサンタンガム、ラウレス-7、水酸化K、香料、EDTA-2Na、シリカ、メチルセリン、ミルシアリアデュビア種子エキス、アラリアエスクレンタエキス、ヒアルロン酸Na、フェノキシエタノール、クロルフェネシン
スキンタイプ:全肌質対応

この美容液は論外です。アルコールの配合は言うに及ばずシットリの正体が黒で示しているシリコーン油やアクリルポリマーですからね。
勿論、水と油を混ぜるための界面活性剤もタップリ・・・
この美容液を洗顔で綺麗に落のは大変で、落とせるほどの洗顔を使えば逆に角質層の状態は・・・考えただけでも恐ろしいけど。

いずれにしても表記の順番を見ているとエタノールの高濃度配合が気になりますね。

それでもブランド商品はやはり強いですね。何しろ数年前に問題を起こしたK社の商品なのに売れているのだから・・・

何よりも驚くのはこれほど安い原料なのに不当に高い販売価格!

それには、たくさんの中間業者さんのマージンも含まれているのだろうな~なんて思っちゃいますね。