クレール美容室のブログ

現役の美容師にしか分からない美容の本音を書き綴っています。

流行れば何でも・・・?

最近流行りの「幹細胞培養液配合トリートメント」美容室でもそれらしきメニューが流行っているようですね。

そもそも幹細胞とは?分化する全ての細胞の幹となる物であり、今更ながら珍しく取りざたされる物ではないはずなのに、ここに来て何故か流行っています。

この業界は本当に流行を作る事が好きで「無添加」「ボタニカル」も今では誰も飛びつかない。

幹細胞培養エキスの流行は何時まで引っ張れるのだろうか・・・

私達も今から20年以上前に女性の育毛を研究し始めた頃、この幹細胞に注目していました。

そもそも幹細胞とは?調べてみると、この様にまとめられています。

(幹細胞)
幹細胞は、自己複製能と様々な細胞に分化する能力(多分化能)を持つ特殊な細胞であり、この2つの能力により、発生や組織の再生などを担う細胞であると考えられているそうです。さらに幹細胞には、その由来や能力などから、幾つかの分類がされており、主に胚性幹細胞(ES細胞)、成体幹細胞、iPS細胞などがあると言われています。

(胚性幹細胞 (ES細胞))
胚性幹細胞(ES細胞)は受精卵後、胚盤胞の段階に発生した胚(内部細胞塊)より分離され、株化された幹細胞であり、その為に、ほぼ全ての組織(細胞)への分化能を有する万能細胞と言われている物である。

(成体幹細胞)
体幹細胞は、身体の組織に存在しており、ある程度の多分化能を持ち、発生過程や、細胞死、損傷組織の再生において、新しい細胞を供給する役割を持つと考えられていてES細胞に比べると、成体幹細胞の持つ多分化能は限定されると考えられているが、自己の幹細胞を治療に用いることができることから、現在、多くの臨床応用が進められているそうです。

(iPS細胞)

iPS細胞は、2006年に京都大学山中伸弥教授によりマウス線維芽細胞にウイルスベクターを用いて4つの因子(Oct3/4, Flk1, Sox2, c-Myc)の遺伝子を導入することで、人工的にES細胞様の多能性幹細胞が樹立された。翌2007年には、同教授により、ヒトの細胞を用いたiPS細胞の作製にも成功し、成熟細胞のリプログラム(細胞の若返り)の可能性とともに、再生医療への応用など多くの分野で注目を浴びている幹細胞の一つである。

そこで、最も不思議に思うのは毛髪は角化した(死滅した)細胞なので、その毛髪のトリートメントに幹細胞培養エキスを入れているのは何処に?何に?作用させたいのだろうか?と思います。

で気になって調べて見ました。

サロン専用の幹細胞培養エキス配合のトリートメント剤の配合表です

全成分
水,ココイルグルタミン酸2Na,グリセリン,ココイルサルコシンNa,ラウラミドプロピルベタイン,水、セタノール、BG、ベヘントリモニウムクロリド、スクワラン、ベタイン、ステアリン酸グリセリル、フェノキシエタノール、イソプロパノール、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、オレンジ油、シア脂、アルガニアスピノサ核油、ヒマワリ種子油、PCA-Na、加水分解シルク、ソルビトール、セリン、オタネニンジン根エキス、グリシン、サトザクラ花エキス、セージ葉エキス、ローズマリー葉エキス、フユボダイジュ花エキス、アラニン、アルギニン、クロレラエキス、リシン、トレオニン、PVP、リンゴ果実培養細胞エキス、キサンタンガム、レシチン、フラーレン、プロリン、グリセリン、グルタミン酸

黄色は界面活性剤。赤はアレルギーが懸念される四級カチオン界面活性剤。

市販されている商品

水(バードガスタイン鉱石水)、ジメチコンセタノール、グリセリン、シクロペンタシロキサンステアルトリモニウムクロリド、スクワラン、水性コラーゲン、プラセンタエキス、ヒト脂肪細胞順化培養液エキス、フラーレン、フムスエキス、クズ根エキス、アロエベラ葉エキス、クロレラエキス、クオタニウム-33、γ-ドコサラクトン、サンザシエキス、ナツメ果実エキス、グレープフルーツ果実エキス、リンゴ果実エキス、オレンジ果汁、レモン果汁、ライム果汁、セラミド2、ニンニク根エキス、ローマカミツレ花エキス、ゴボウ根エキス、アルニカ花エキス、セイヨウキズタ葉/茎エキス、オドリコソウ花/葉/茎エキス、オランダガラシ葉/茎エキス、セイヨウアカマツ球果エキス、ローズマリー葉エキス、BG、トウキンセンカ花エキス、レモン果実エキス、ホップ花エキス、セイヨウオトギリソウ花/葉/茎エキス、セージ葉エキス、サボンソウ葉エキス、オリーブ果実油、イソステアリルアルコール、ラウロイルグルタミン酸(フィトステリル/オクチルドデシル)、コレステロール、ラノリン脂肪酸、イソステアリン酸、イソステアロイル加水分解コラーゲン、(クエン酸/乳酸/リノール酸/オレイン酸)グリセリル、ポリソルベート60、1,2-ヘキサンジオール、ミツロウ、ジメチコノール、(水添ヒマシ油/セバシン酸)コポリマー、セバシン酸ジエチル、PVP、エタノール、イソプロパノール、メチルパラベン、プロピルパラベン、香料

ピンクはシリコンで赤はアレルギーが懸念される原材料です。

この製品に関しては、ここまで色々と配合していると、もう何が何には働くのかもわからないでしょうが、どんなに良い水だと主張しても、これ程高濃度のジメチコンなら他の原材料は何の意味もないですね。シリコンだけでツルツルになるのは当たり前です。

となるとサロン系も市販商品も、何のための幹細胞培養液配合なんでしょう?

四級カチオン界面活性剤は細胞膜を破壊しやすいので頭皮には塗れないし、毛髪は死んだ細胞で再生能力が無いため細胞培養液は何の意味も持たない。

『流行れば何でも使う』こんなことが、この業界には、まだまだざらにあるのですね。

毛髪は爪や垢と同じ死んだ細胞です。幹細胞培養液は何の意味があるのかな?