クレール美容室のブログ

現役の美容師にしか分からない美容の本音を書き綴っています。

騙すつもりでは無かったと思うけど

以前から書いてきたシャンプー剤やヘアトリートメント剤のように界面活性剤を配合する製品のオーガニック製品については現在の薬事法では承認されておらず、基本的におーがにっ承認されるものは食品のみとされています。

そこで原料の由来(元の物)がオーガニックの植物成分から抽出した原料に化学合成をした物を配合することでオーガニックやエコサート商品。そして最近では原料の一部を植物由来の製品をボタニカルなんて言ってます。

何時まで消費者を欺くのだろうか!?

特にアミノ酸系やタンパク質系の原料を多く含む物は腐敗しやすく、防腐剤の配合も避けられません。
ただし、防腐剤の中で植物を組み合わせた物もあれば石油合成の物もあります。

にもかかわらず、オーガニックを謳い続けてきた商品を信用していた消費者の気持ちを考えると、とても複雑な思いが残りますね。

今回の表示の問題で自主回収に見舞われたメーカーも大変だけど、もっと大変なのは販売店でしょう。

この問題、しばらく続きますね。

下記に示したものは同じ商品ですが旧表示と新表示が同じ商品だとは誰も思わないでしょうし、界面活性剤自体も違うしね。

そもそもアロエベラ液汁が水より多い事は、あまり考えられません。

それはセーヌのシャンプーが水の次にアロエベラ液状と設計していますが、コストだけの問題ではなく腐敗や沈殿物などの問題が出るため高濃度配合は製品の安定性の問題から非常に難しのです。

これはシャンプーを設計した人ならわかる事ですが、通常のシャンプー剤は水を基材にして作るのがセオリーなのです。
で、蓋を開けて見たら、今回の新表示ではやっぱり水が一番初めに表記に修正されたようですね(数えると8番目)

そもそも、オレフィンなどの洗浄力の強い(硫酸系と大差ない)洗浄剤が多く配合されている時点でアウトなので、これをオーガニックとして販売してきたことにはビックリですね。もちろん安息香酸なんて旧指定成分なので論外です。

でも、この製品に限らず輸入化粧品には純国産品の商品とは違い表示成分の訳し方や解釈の問題があるために、このような問題は起きると言っていますが、今どきの翻訳で間違うことなど考えにくいですけどね。

余談ですが、逆に輸出する国によっては動物性の原料が一部でも配合されていたらアウトと言われる商品もありますよ。実際に私もメーカーさんのOEM制作会議などに出ると宗教性の問題で動物を食さない国の商品開発は非常に難しく、ましてや原料の段階で配合されていて後に発覚したら、それはもう大変です。


では、今回の問題の製品の一部の商品で旧表示と新表示を見比べて見て下さいね。

〈旧表示〉
アロエベラ液汁、水、ラウロアンホ酢酸Na、デシルグルコシド、ババス油、ラウリルスルホ酢酸Na、ホホバ種子油、塩化Na、硫酸Na、ハニーサックル花エキス、スイカズラ花エキス、マルトデキストリンセイヨウイラクサ根エキス、パンテノールグリセリンローズマリー葉エキス、セイヨウノコギリソウエキス、チャ葉エキス、トクサエキス、セイヨウシロヤナギ樹皮エキス、カミツレ花エキス、ラベンダーエキス、コンフリー葉エキス、ルリジサ種子エキス、ヒマワリ種子油、アマニ油、ソルビトール、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、加水分解ダイズタンパク、ラベンダー油、コムギアミノ酸、イオウ、トコフェロール、安息香酸Na、ソルビン酸K、リナロール、リモネン


〈新表示〉
水、コカミドプロピルベタイン、オレフィン(C14‐16)スルホン酸Na、デシルグルコシド、塩化Na、クエン酸ソルビトールアロエベラ液汁、パンテノール、ババスアミドプロピルベタイン、加水分解ダイズタンパク、ローマカミツレ花油、ローズマリー葉油、スペアミント油、ラベンダー油、コムギアミノ酸、トコフェロール、ホホバ種子油、ココアンホジ酢酸2Na、ラベンダー花/葉/茎エキス、カミツレ花エキス、チャ葉エキス、アルニカ花エキス、スギナエキス、アマニ油、ルリジサ種子油、ヒマワリ種子油、ラベンダー油、ユッカシジゲラ根エキス、セイヨウノコギリソウエキス、セージ葉エキス、ローズマリー葉エキス、ウルチカジオイカエキス、トウキンセンカ花エキス、安息香酸Na、ソルビン酸K、カラメル

見てもお分かりの通り元々の表示でもオーガニック製品では無いけれど、これの何をとってオーガニックと謳っていたのだろうか?

騙すつもりでは無かったにせよ、この製品を信じて高額な価格にも関わらず、ずっと使っていた消費者の方々は本当に気の毒ですね。


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セーヌはスカルプもヘアシャンプーも高濃度のアロエベラ液汁を配合しています。

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洗顔フォームも。