クレール美容室のブログ

現役の美容師にしか分からない美容の本音を書き綴っています。

商品開発の実情

今日『フルタチさん』を見ていたら、ある人気ラーメン店をコピーしたカップ麺の開発現場の様子を放送していました。

これ、実は最近流行りの「美容師が開発した」とか「お医者さんが開発した」と言った有名店とのコラボ商品開発と似ているんですよ。

どう言う事かと言うと、人気ラーメン店の味を再現するために開発責任者が試食して味の指標を決めて試作品を作ります。それを店主さんに試食して頂いて修正を重ね承認を頂き「人気ラーメン店◯◯の味」となりコラボ商品が発売されるのでう。

つまり、店主には原料さへ見せず(企業秘密でもあると思うから)商品のチェックが主な仕事なんです。

これと同じように、シャンプーや化粧品も有名店や名医さんとのコラボ商品はほとんどの場合が、メーカーが試作品を作り、美容室オーナーやお医者さんが使用感や香りをチェックして好みなどを伝え開発します。

その結果、◯◯◯美容室オリジナル開発商品とか◯◯先生の推奨品なんて言う商品が生まれるんですよ。

でも問題は、これらの製品には開発時に多くの制約があり、その中で最も重要視されるのがコストなのです。

そのため、製造メーカーはほとんどの原料の価格をクライアントにシークレットととしています。

でも安価でもそれなりの感触や仕上がり感にする事なんて簡単に出来るのが今の世の中の化学薬品マジックなのです。

でもコストダウンにより作られた商品は長く使い続けると結局は他社との差がなく、直ぐに廃盤になったり、モデルチェンジしたりしてしまいます。

一見、オリジナル商品を開発している美容室やお医者さんがたくさんいるように思われていますが、オリジナル商品の開発の実情は製造メーカーの販売数を増やすためと、イメージアップを求める策略が多いようです。

私の商品開発は製造メーカーさんに原料をオーダーし、一つ一つを様々なチェックをし、自分で原料を混ぜて見ての製品シミュレーションを行います。

勿論、原料単価も全て知らせて頂き、製品の出来高も全て自分が計算します。それが、それほどの高コストでも製品の結果が良ければ、その企画を通してくれるニッシン化研さんは唯一の化粧品製造メーカーさんなんです。

その結果、オリジナルの処方箋をメーカーさんに送り、試作品が作られます。その後、使用感やや感応性、アレルギーテストを経て抗菌テストへと移行して行きます。

つまり、本当の意味でのオリジナル処方の製品なのです。

この開発をするためには、原料そのものに実際に触れて見て、それを頭の中で混ぜ合わせた状態を仮想定しなければなりませんが、これも長年の経験と勘により培われてきたものなのでしょうね。

それと何と言っても、そんなの開発協力をして下さる『ニッシン化研さん』のお陰ですね。

今では比較的簡単に新製品の処方が浮かぶので開発は簡単になりましたが、それでも特殊な原料を配合するときには一工夫が必要ですけどね。

今日はテレビを見ていて、どの業界もメーカーさんとのコラボ商品が出てきますが、そんなカラクリがあることを消費者は知っているのかな?なんて思いました。