昨日は、あるシャンプー剤について質問があり「オーガニックシャンプーと書いてあるけど、本当にそうなのですか?」と聞かれましたhttp://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_cry.gif
この質問はとても多く、オーガニック化粧品に対しての認識や誤解は多いようです。
オーガニックの定義は無農薬(化学肥料を使わない有機栽培の植物)であり、オーガニックコスメとは有機栽培で育てられた天然成分由来の原料を配合した化粧品の事を言います。
但し厚生労働省などでも法的な基準が無いため、現時点で日本ではオーガニックコスメの承認を受けているものはありません。
ヨーロッパやアメリカなど海外製品では、オーガニック由来成分をどれぐらい配合しているかにより『オーガニックコスメ』であることを承認する独自の認証基準があります。
フランスでは原料の95%が自然由来の原料である、などの厳しい基準を設け100%天然由来の原料から作られていることや石油由来物質を使用していないことなどの基準をしっかりと決められています。
現時点において、日本にはこれらの基準がなく逆に法的に規制が無いことを悪用し、オーガニックを製品の名前の一部に使い消費者を欺いている事があるようです。
(但しオリーブオイルやホホバ油などをオーガニック製品のみで構成してる化粧品ならば、オーガニックと言えるかもしれませんが)
質問のあったシャンプーについては百貨店や美容室でも高級シャンプーとして売られているJ〇オーガニックシャンプーですが、これの配合を見れば、これもまた何がオーガニック?と思えるもので、界面活性剤そのものは合成界面活性剤の中でも安全性の高い物なので問題はありませんが、柔軟性や感触向上を出すためのグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド(陽イオン界面活性剤)や防腐剤に安息香酸Naなどアレルギー性皮膚炎の方のは刺激性が気になるものも配合していますwo
これなどは原料の一部にオーガニック由来成分やエコサート認証の原料を使用していると言うだけの商品で、それでも消費者はオーガニックと書いてあると安心するのでしょうね(それを悪用してはいけないけど)
だからと言って悪いとも言えません。化粧品は配合成分の良し悪し以外にもトータルバランスが最も重要だから(好みも含め)
それから、意外と知られていないのがシリコンの代わりに良く使われる原料で陽イオンの界面活性剤がありますが、界面活性剤は洗浄成分だけではなく、溶剤(水溶性の原料と油性成分を混ぜるための物)として使われる事は多いのですが、特に陽イオン系の界面活性剤は吸着性が与えられている分、体への残留性が強く痒みの原因にもなりやすいのです。
下記に書いた成分は代表的な陽イオン界面活性剤のほんの一例です。
ベヘントリモニウムクロリド、ステアリルコニウムクロリド、セトリモニウムクロリド、ベンザルコニウムクロリド、クオタニウム-22、ジステアリルジモニウムクロリド、ステアリルトリモニウムクロリド(ステアリルトリモニウムブロミド)、セチルピリジニウムクロリド、ベンゼトニウムクロリド、PEG-2オレアンモニウムクロリド、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロウド
(容器の裏に、これらの原料が表記されていたら敏感肌の方は要注意です)
私の商品開発にも天然成分由来原料やエコサート認証の原料のチョイスに拘っていますが、現時点では100%天然成分だけでのシャンプーはほとんど不可能です(石鹸シャンプーですら)
ただ、化粧品の安全性はトータルバランスが重要なので、その製品が如何に皮膚や毛髪に悪影響を与えないか?と言う事が最も重要です。
そのバランスが良かったので、今ではたくさんの美容師さんや消費者の方々から高い評価を頂いているのかな?と思っております。