クレール美容室のブログ

現役の美容師にしか分からない美容の本音を書き綴っています。

妊婦のヘアカラーを検索される人へ

いつもブログをお読み頂きまして誠にありがとうございます。

こんなブログでも「楽しみにしております」とエールを送って下さる方々が意外にもたくさんいて下さるようなので、これからも美容師の本音を書き綴れたらと思っています。

さて、この数日の間に何故か「妊婦さんのヘアカラー」への検索数が非常に多くなりました。

おそらく妊娠中のヘアカラーについての安全性を心配しての事と思われますが、その疑問について私なりの答えを書いてみようと思います。

まず妊娠中のヘアカラー剤で最も心配される事は胎児への影響(羊水の汚れ)だと思われますが、これについては明確な答えはありません。

なぜなら、それを立証するようなデータが現時点では存在しないからです。

しかしながら薬剤が皮膚から吸収されること自体は十分に考えられ、一般に遅延型のアレルギーはそれら経皮吸収によるものと言われています。

例えば医薬品の貼付剤などの説明に対しては以下のようなものがあります。

医薬品には錠剤やカプセル剤などの経口剤、注射剤、点眼剤、貼付剤などさまざまな形態(剤形)が存在しますが、これらの医薬品は患者の病気の症状に応じた最適な方法により、有効成分を全身又は特定の患部に送り届けています。
貼付剤の剤形をしたもののなかで、貼付部位の皮膚や筋肉への局所的な作用ではなく有効成分を皮膚から血液中に吸収させて全身に送り届けることを目的とした医薬品があります。これを経皮吸収型製剤といいます。

一般的には経皮吸収型製剤は肝臓を経ることなく薬を全身へ送り届けることが可能とされているのですが、血液中に吸収されるとなるという事は肝臓や腎臓などへの影響は免れません。

また、一般に美容室の店内の空気には様々な化学薬品が浮遊しているために、それも妊婦さんにはあまり良い環境とは言えず、心配されるのは鼻からの粘膜吸収です。

これらを踏まえ、母体の臍の尾から栄養補給をしている胎児への影響が心配されるのは普通の事なのではないでしょうか?

またヘアカラー剤(ヘナでも)皮膚に直接触れる事で微量ですが経皮吸収がされている事は間違いなく、その為に体質が合わないと遅延型のアレルギー(かぶれ)を起こすのです。

人の健康な皮膚にはバリア層があり様々な物質を体内に侵入させないような防衛システムがあるはずなのに、溶解能力のある活性剤などにより、その機能は簡単に崩れ体内への侵入を防ぐことはとても難しく、今では様々なアレルギーなどのトラブルが増えています。

その意味ではシャンプー剤やスキンケア商品など、ほとんど毎日使う化学薬品を安全な物に替えるだけでも随分と防げることは当たり前のことなのかもしれませんね。

実際に先週、当店のお客様から出産時にお医者様から「こんなに綺麗な胎盤を見た事がありませんと褒められました」とお話しして下さいました。

もちろん妊娠中はヘアカラーを止めて頂ましたが、ヘア&スキンケア商品も長年にわたり当店の商品だけをお使いいただいておりまります。

その理由には、重度のアトピー性皮膚炎を若いころから患っておられたため様々な副作用で苦しんでおられたのですが、当店にお越しになり食べ物や飲み水をはじめ生活に携わる全てのことにアドバイスを送らせて頂いて来たことで、今では体質が随分変わりました。

でも、羊水が綺麗だった事の同様の意見を今月はお二人の方から伺い、お礼を言われていました。

もちろん全ての人がそうなるかどうかは分かりませんが、いずれにしても良かったです。

私の持論は「疑わしきものは避ける」と言う事であり、自分の大切なお客様にはその事を徹底しており、当店では妊娠中はカットだけをお勧めしております。

たまに、お客様からは「商売なのに売り上げ下がるけど断っていいの?」なんて言われるけど、それには母子ともに健康でいてくれる事を何よりも最優先してほしいからです。

妊婦さんのヘアカラーで検索している人の中には「妊婦でも安心していける美容室」を探している人が多いようですが、以上の事からも妊婦さんと言うよりも胎児にとって100%安全と言える美容室は無いと思います。

ご自分の大切な子供の未来(ご自身にとっても)について出来るだけの安全を願うなら、出産から断乳が終わるまでパーマやヘアカラーなどの薬品を避ける事を私はお勧めします。

長い人生の1~2年ぐらいは出産後の長い時間を一緒に過ごすことになるお子様の未来を考えたら、その位の時間は「長いようで、短い、」そんな気がします。

また貴方のお気に入りの美容室も、そんなアドバイスを送ってくれる美容室であって欲しいと願います。

もちろん、これはあくまでも私個人の参考意見です。