クレール美容室のブログ

現役の美容師にしか分からない美容の本音を書き綴っています。

私たちの想い

昨日はセーヌやラ・ポーデュベベの製造元のニッシン化研さんとの会合がありました。

そこで、もう一度セーヌの成り立ちをお話させて頂きましたが、美容業界におけるヘアケア商品の多くの問題点は製品価格に対する原料コストの異常なまでの削減にあります。

それには幾つかの理由があるのですが、一番の問題点はメーカーや美容室が売りたい物(売りやすい価格と高利益率)の物を作る事に重点を置いているからです。

それと、私も若い頃は販売ディーラーさんの講習会に参加して、色々な事を教わった事がありましたが、考えて見るとそれは変な話である事に気づきました。

なぜなら、販売ディーラーの営業の人たちはパーマやヘアカラーの技術がある訳でも無く、ましてや実際に施術すらした事のない営業マンなのですが、その人たちにプロの美容師が使い方を習い、質問や問題点を投げかけると「使い方が悪いのでは!」なんて言われていました(今でも、そんな美容室が殆どなのです)

昔、私もあるディーラーさんから「パーマ剤の講習会を受けて欲しい」と頼まれ、当店で講習会を行いました。

その時のパーマの出来栄え(ウェーブ形成)はとても褒められたものではありませんでしたが、それは担当した技術者(元美容師さん営業マンさん)のロット選定が悪かったからなのです。

その時、ディーラーさんは「もう契約は取れない」と感じられたそうですが、私は「ウェーブ形成は技術的に問題があったと思うけど、毛髪の損傷度の少なさは群を抜いている。だから後は自分の工夫次第で、この薬剤は間違いなく良い物だと思う」と話し契約しました(もう20年以上もこれ一筋です)

長年の間に色んな薬剤を比較しましたが、未だにこれを超えるパーマ剤には出会っていません。でも、あの時にウェーブ形成の問題で断っていたら今の当店のお客様には、これほどの綺麗なパーマが出来たかどうか分かりません(毛髪の損傷の少なさはダントツです)

勿論、技術が一番需要な美容師の世界ですが、それでも薬品の質にはどうにもならない事もあるのです。

そのころからでしょうか、薬品の特徴に興味を持ち始めたのは・・・

そのため自分を信じて下さるお客様への恩返しとして他店との特色を高めようと考えいたころに女性の育毛の研究をしていた関先生に出会いました。

それからは、決してメーカー側だけの主張を優先することなく、自分たちがメーカーを動かす(本当に良い物を作ってもら)ように研究し、働きかけてきました。

その結果、セーヌやラ・ポーデュベベが誕生し、何一つ宣伝らしい事(販促品もない)をしていませんが、それでも人伝いに伝わり、今では多くの方々から喜びの声を聞かせて頂く事となりました。

それには、プロの美容師が毎日髪や頭皮を見て、触れて、本当に必要と思った商品を形にしたからなのでしょう。

私が初めてニッシン化研さんを訪れた時「薄毛や抜け毛で困っている人はメーカーが想像している以上に多いことを知ってほしい」と話をしました。

そして、自分の想いをこう述べました。

私たちの開発商品の最大の特徴は、世代を問わず、小さなお子様から年配の方々まで同じものを安心して使って頂ける安全性を目指し、そのコンセプトは何時までも変わる事無く続けたい。

それが次世代に繋がる商品開発の伝統となるように。

私達の想いは今までも、そしてこれからも変わる事無く続けられると思っています。