クレール美容室のブログ

現役の美容師にしか分からない美容の本音を書き綴っています。

帰りたいけど帰れない〜

今日、母が友達に「あんたとこの子供さんのお店に行ってた時は髪の毛、綺麗やったけど、最近は抜け毛も多くなり、傷んでしまってあかんわ」って言ってたよとの事でした。

この方は元美容師さんで、初めてご来店下さった時には「抜け毛が酷く薄毛が気になる」との事で当店にご来店されました。

その後、一年ぐらいで髪も随分生えて来て綺麗な髪になり、ゴルフ仲間からも「髪の毛、すごく綺麗になったね」と言われるようになっていました。

その後、3年ぐらい毎月のようにご来店されていましたが、半年くらい前に娘さんの紹介で違う美容室に行かれました。

最初はディスカウントのチケットもあり、とても喜んでいたそうで、その時は「パーマの薬なんて安いから、めちゃくちゃ儲かるで」と話していたそうで、何だか当店が物凄くボロ儲けをしているように言われたそうです。

でも次第にゴルフ仲間からも「美容室変えたの?」と言われるようになり、残念な反応に変わってきたそうです。

そんな様子を見ている母も、流石に自分の子供の店に戻ったらとも言えずにいたら、ご本人さんから「髪もめちゃくちゃ減ってきたし、艶もなくなった。あんたとこの店とは何が違うんやろう?全然あかんわ」と嘆いていたそうです。

美容室の経営理念は様々で、前回の記事にも書いたようにディスカウント競争におけるコストダウンの被害者は残念ながら何時もユーザー様であり、美容室はその事に対してそれほど深刻に考えていないように思います。

何よりも売り上げアップのための過度の美容サービスを見ていると「人のものだから」の後に続く言葉が「まあええやん」なのか?「人のものだから」「大切にしないと」と言う思いでは同じ人ものでも扱い方はまるで違うと思います。

母のお友達も美容師時代にはきっと『コスト最優先』何てお店で仕事をしていて、それが頭から離れていなかったのかもしれませんね。

でも、私達のように小さな個人経営店には、自由にコストを掛ける事ができるので価格競争など全く気にせずに髪や頭皮の健康を守るための真の美容施術が提供できると思っています。

最後に母のお友達が「あんたとこの店に戻りたいけど娘がな〜」って娘さんに気を使っていたそうですが、何だか「帰りたいけど帰れない〜って感じだったよ」と話してくれました。

まあ「来る者拒まず。去る者追わず」って感じでお店を選ぶのはお客様の自由だからね。

ただ失った髪を取り戻すには、また時間が掛かるでしょうけどね。

 
シャンプーとかも無くなったら違いがめちゃくちゃ分かると言っていたそうです。