クレール美容室のブログ

現役の美容師にしか分からない美容の本音を書き綴っています。

一年前に書いた事・・・

これ程時代が変わっても、今でもあるようです。コストダウンの為の粗悪な商材を使って行われる施術。
私達が「とんでもない」と思っても、お店の経営方針は人それぞれ。でも自分がサービスを受け側になるとしたら?

また、そのような商材による手荒れなどで夢や希望に満ち溢れた若き才能の芽を摘む事になるとしたら、とても残念な事になるのでは?
そう思うのは私だけでしょうか?

昨年の今日、このブログにこんな記事を書きました。

先日、お客様が「姪が美容師を目指していたのですが手荒れが酷くて辞めてしまいました」とお話して下さいました。
未来ある若者なのに、とても残念な事ですね。
美容師の手荒れについては、これまでに何度も書きましたが、それは美容師だから手荒れするのでは無く、手荒れるような薬剤(ほとんどがシャンプー剤です)を使っているからなるのです。
でも、そのようなお店で使われている薬剤ではスタッフの手と同じようにお客様の髪や頭皮にもダメージを与えているのです。
それでも世の中のイメージでは美容師は手荒れをするものだと思われている事が多く「自分は肌が弱いから美容師は無理だ」と志半ばで辞めてしまう人の数も少なくありません。
当店にもこれまでに他店で働いていて、手荒れが酷くて美容師を諦めかけた人がスタッフとして長年働いてくれたことがありましたが、その人たちは一度も手荒れをした事がありませんでした。
そして、昨日は別のお客様が「いま姪っ子ちゃんが美容学校に行っているのですが、どんなお店に就職したら良いのでしょうかね?」と聞かれましたが、それについては「どんな美容師になりたいか?という事にもよるでしょうね」とお答えしました。
そんな事を話していたら、そのお客様は汗疱で悩んでおられたので、その事についても説明させて頂くと「美容師さんはそんな勉強もしているのですか?」と聞かれたので「美容師にもよりますが」とお話ししました。
聞けば皮膚科や歯科に行って色々と相談されていたそうですが、思うような結果が出ず、長い間この病で苦しんでいるそうです。
何よりも問題なのは病院でも決定的な原因が分からないと言われながらもステロイドを出される事に不信感を抱いていたそうです。
なので、治るかどうかは分かりませんが、考えらえる改善方法をお話しさせて頂くと「やってみます」と笑顔を見せて来れました。
またアロマの勉強を凄くしていたそうで精油についても色々とお話しさせて頂くと「知らない事がたくさんありました」と喜んでました。
とにかくたくさんのご質問をして下さったので何時もよりも長い時間お店に滞在されていましたが、お互いにとても勉強になりました。
最後に姪っ子ちゃんの美容室選びについては面接では見えない3つの見極め方をお話させて頂きました。
でも、それはお客様でも同じ事。
「それを見れば、その店のお客様やスタッフに対する考え方が分かるので」とお話すると「なるほど。分かりやすいですね、姪っ子ちゃんに伝えておきます」と喜んでいました。
これから美容師を目指す若い人達には一度くらいの手荒れで夢を諦めるまえに本当に良いお店(オーナー)を本気で探してみてはいかがでしょうか?
どうか本当に良い出会いがある事を心から祈ります。

あれから一年が経ちましたが、やはり姪っ子ちゃんたちの美容師への復帰のモチベーションは回復しなかったようです。

この先、美容師を目指す人達が激しい手荒れなどに苦しめられることなく、快適に過ごせるようなお店に出会う事を心から願います。
勿論、それはお客様の髪やお肌を守る事に最も重要な事でもあるのですから。