クレール美容室のブログ

現役の美容師にしか分からない美容の本音を書き綴っています。

知らず知らずのうちに

昨晩、あるテレビ番組で大手洗剤メーカーを取り上げ、利便性や香りの良さに触れられてはいたけれど、そこのは「安全」に対するアピールはありませんでした。

現代の合成技術による化学薬品の恩恵は、安くて便利な物を増やし続けていますが、その反面、知らず知らずのうちに忍び寄る危険性にはなかなか気づかず、逆にアレルギーなどの奇病が増えたことも否めません。

例えば『豊かな泡立ちでも直ぐに消える』と言った泡の開発エキスパートなる人の開発の様子を映していましたが、界面活性剤には泡立ちを良くする増泡性の活性剤とと泡を消す消泡性の活性剤があります。

その組み合わせにより泡質が豊かさやモッチリ感、持続時間などが決まります(これ意外に簡単な事なのですがテレビではいかにも難しく話していましたね。勿論、私も開発時にはその実験をします)

但し、ここで問題なのは泡が消えても界面活性剤自体は残っていると言う事と洗浄力を上げても泡切れが良い事で安全と勘違いさせやすい事です。

「濯いだ瞬間キュキュ」なんて言ってますが、その時点では洗剤はまだ残っているのです。

食器洗い洗剤には通常石油系の界面活性剤が主に配合されていますが、これ自体が生分解が悪い事と、石油から作られたプラスチック製品には残留しやすい特性があります。

なので「泡が消えたら流れている」のではなく、泡が消えても安全のためには良く流さないといけないのは何ら変わらない事なのです。

とは言え、大方の方々が毎日のように使っている物なので気にしてい無い人がほとんどだと思いますけどね。


でも、偶然に良いヒントも得られました。

それはシャンプーの研究現場を見せていた時の事ですが、先ず研究員のお粗末なシャンプー技術は別にして、毛髪のしなやかさには表面の柔らかさと内部の硬さのバランスが重要だと言う事を話していました

これは偶然にもセーヌの開発時に製造メーカーのニッシン化研さんに私が提案していた事と同じで、その結果がセーヌに採用したのがWケラチン処方で毛髪の内部補修に最も優れた羽毛とキューティクルの修復に適した羊毛のケラチンを配合したのです。

しかも安全性の最も高いケラチンで。

本当に余談だけど、あれ程立派な研究施設の中でもシャンプーはあまりにも下手な研究員はシャンプーの技術をあまりにも舐めていると思います。

これではどれだけモニターさんにリサーチをしていても、良いシャンプー剤を作るのは無理なのでは?と思いましたね。

現場で毎日たくさんシャンプーをしている現役美容師の感覚に勝つことは先ず無理だと思うけど、大手のメーカーはそれ以前にコストの制約が厳しいから美容師がお客様に対して提供したいと考えた商品との違いがあっても仕方が無い事なのかも知れませんね。