クレール美容室のブログ

現役の美容師にしか分からない美容の本音を書き綴っています。

大事なのは使い方

そろそろ乾燥の季節に近づき、お肌や頭皮にとっては厳しい環境になってきましたね。

そんな季節を見越して各化粧品メーカーからはボディケアの新商品が展開し始めています。

特にボディーソープは潤いを残すため肌ベールとしてコーティングを残すものやラメラを傷つけないなんて触れ込みをしながらイメージアップをしています。

でも、少し考えて見ればこれらのキャッチコピーには疑問を感じませんか?

なぜなら、皮膚にベール(コーティング)を残すと肌の正常な新陳代謝が悪くなるし、またラメラを傷つけずに洗うのは洗浄成分も重要だけど、洗い方はもっと重要だからです。

昔の日本人がアレルギーや敏感販肌の人が少なかったのはシャワーの生活ではなく洗面器による掛け湯が多かったからだとも言われています。

表皮の厚みは僅かに0.02~0.6ミリと部位によっても違いますが、いずれにしてもかなり薄くてデリケートなものなので、お風呂のお湯や界面活性剤などで膨潤軟化した皮膚にシャワーをあてると表皮は剥離しやすく傷つけられるのです。

つまり、どんなに優しい洗浄成分の製品を使っても、体洗い専用のタオルのような物でゴシゴシ洗えば、その方が余程ラメラ構造を崩すことになるのです(皮膚科のドクターが垢すりを禁止するのはその為です)

それでも化粧品メーカーは何かしら目新しい売りの文句を付けたいと思うのでしょうね。

最近ではボタニカルなどの言葉も独り歩きしてきましたが、その陰には化粧品では洗浄成分などを含む製品をオーガニックとあいて認めないジレンマもあるのでしょう(現時点でオーガニックを法律で認めているのは食品だけです)

それよりも、もっと気になるのが皮膚の常在菌(善玉菌)に影響を与える防腐剤の配合です。

このメーカーは洗浄成分が表皮に侵入しラメラ構造を崩すとあるようですが、その表皮を守るためのバリア層を作るために重要な皮膚常在菌は、防腐剤により死滅してしまいます。

それを思うと、このボディーソープは洗浄成分は気にしていても(それほどでも無いが)アトピーや敏感肌の人には使えないな~なんて思いました。

その表示成分がこちらです。

成分・分量【成分】
水、ラウリルグルコシド、ラウロイルアスパラギン酸Na、コカミドプロピルベタイン、ココイルメチルタウリンMg、グリセリン、ジステアリン酸グリコール、ラウロイルメチルアラニンNa、コカミドMEA、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、セラミド2、セラミド5、ミリスチン酸、クエン酸、PEG-4、
エタノール、ポリクオタニウム-7、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、ポリクオタニウム-67、PEG-7M、炭酸Na、ピロ亜硫酸Na、カラメル、BG、ミリスチン酸ポリグリセリル-10、コレステロール、EDTA-2Na、安息香酸Na、香料

こちらの赤い文字は少なくとも敏感肌の方は避けたほうが良いかと思います。

この製品のコマーシャルトークには「今までの洗浄成分がラメラ構造を傷つけていた事に気づき新たな洗浄成分を開発した」と書いていますが、特に目新しい洗浄成分でもなく昔からある界面活性剤で特徴的な原料は見つからりませんね。

ただ今までの洗浄成分がラメラ構造を崩していたと言う事を流行らせたかったのかな?

それにしても、この製品のCMの女優さんは何時までも綺麗ですね。

結論を言うと、肌の健康のためには洗浄剤選びも重要だけど、それ以上に洗い方にはもっと気をつけて下さいと言う事ですかね。

当店のお客様はメーカーの推奨ではありませんがスカルプシャンプーなどで身体を洗っています。
使用感には個人差があるものの、アトピー性皮膚炎や敏感肌の方も高評価を頂いております。
頭皮に良い物は肌にも良いのは当たり前ですからね。
でも市販のシャンプー剤では絶対に真似をしないで下さいね。

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