クレール美容室のブログ

現役の美容師にしか分からない美容の本音を書き綴っています。

想定内の意見でした

昨日は初めてセーヌのシャンプーやフェイスウォッシュを使って下さった方からのレポートを頂きました。

「シャンプーはリンスの必要は無いと聞いていたけど本当に必要ないどころかトリートメントやリンスを付けた後のような濯ぎ心地と乾くとサラサラで驚きました」
洗顔は濯ぎの時も突っ張らないし、シットリしていて凄く良い感じ。但し市販の物に比べると泡が少ないので一般の人にはどうかな?でも綺麗に洗えているので問題なし」

それぞれに適切な回答をいただきましたが、この意見は私にとっては『想定内』でした。

なので、それについて詳しく解説をさせて頂きました。

特に洗顔フォームの気泡量については、わざと少なくしているのですが、それは生分解性の高い原料を使い尚且つ脱脂力を抑えるためなのです。

一般に洗顔フォームにはモッチリ泡やタップリ泡が多いようですが、化粧品のベースにはほとんどが水で出来ています。
その水溶性の液体を泡立てた場合には通常は水溶液に戻るのですが、その時間が長ければ長いと言う事は生分解性が悪いと言う事なのです(水に溶けにくいから泡が消えない)

つまり泡の持続時間が長いのは残留しやすく肌への影響も多いのですが、その為シットリする成分やツルツルする成分を余分に配合しなくてはなりません。

その結果、製品全体の生分解性が悪くなるのです。

基本的には人間も動物なので、脂を落とし過ぎない事は大切なのですが野生動物との最大の違いはメイクをすることで、これには石油原料がたくさん使われています。

それを洗い落とすためにタップリ泡やモッチリ泡で脱脂力を上げないと綺麗に落ちないと思われてしまうからです。

これも、化粧品メーカーのイメージ作りの策略にはめられ、洗脳された一般消費者の基準がそのようになってしまったからでしょうね。

そもそも汚れを落とす方法は大きく分けると溶解、分解、吸着の三つに分けられます。

その中でも肌への影響が最も多きのが溶解(皮脂を溶かす)なのですが、ほとんどの場合が泡の多さにより左右されます。

私たちの提案しているシャンプーや洗顔フォームの汚れ(石油原料の重金属も)を落とす方法は洗浄成分を控えておきながらも(溶解レベルを下げる)特殊な酵素を配合し、その酵素の分解作用で汚れを分解すると言う皮膚にも環境にも優しいを狙っているのです。

そんな説明をしていたら「一般商品にならされていた私たちの方が危険な物を使っていたのですね」とのコメントを頂けました。

本当にそうですね。

化粧品(ヘアケア商品も含め)は毎日使う身近な化学薬品です。その薬品の粗悪な物や乱用により、人の体(細胞)はどんどん蝕まれています。

だからこそ、少しぐらい「頼りない」と思う使用感でも、それが安全性や安心感に結びつくような商品開発を私は心掛けています。

そして今はさらに皮膚バリアを守るための製品作りを開発し始めています。

いつの日か多くの人々が「それが正しかった」と気づいて頂けるようになるために。