クレール美容室のブログ

現役の美容師にしか分からない美容の本音を書き綴っています。

泡にこだわらないで。

昨日、二度目のご来店のお客様より「先日、買わせて頂いたシャンプーで抜け毛が止まりました。とても良かったけど、泡立ちが少ないように感じたけど洗い方が間違っていますか?」と聞かれましたが、それはスカルプシャンプーは育毛を目的として脱脂力を少なくするように設計にしているからそう感じたのかもしれませんね。

シャンプー剤に配合されている界面活性剤(気泡成分)は例え天然成分由来でも、汚れの原因(タンパク質)を溶解するものなので、素早く綺麗に洗い流すのが鉄則です。そのため泡切れや生分解性を考えて作りました。

「シャンプーの泡パック」を勧めているメーカーもあるけれど、髪や頭皮にシャンプー剤が付いている時間が長ければ長いほど頭皮や髪は膨潤軟化し、剥離が強くなります(痒みや脱毛の原因となる)

例えば換気扇の油汚れに洗剤をかけて擦っても落ちにくい時、ティッシュなどを張り付けて付け置きすることで汚れが溶解しやすくなるのと理屈は同じです。でも実は素材までもが溶けているのです。

汚れを落とす作用には(溶解・分解・剥離)とありますが、界面活性剤は溶解作用なので、付着している時間が長くなればなるほど皮脂と同じように表皮も溶解されているという事なのです。

そもそも、毛髪は皮膚の中(僅か2ミリの間)で作られるので、出来るだけ溶解性や生分解性が良いものが安全な事は間違いありません。

それでも、セーヌのスカルプシャンプーは最低限の泡立ちを確保しているので、余程の長さがない限り洗いにくくは無いと思います。

そこで、お客様にスカルプシャンプーで洗わせて頂いている時に「泡の感じはいかがですか?」と聞いてみたら「泡立ちが良いように感じます」と言われたので、ちょっと鏡で泡の状態をお見せすると「凄く綺麗に泡立つんですね」と驚いていました。

同じシャンプー剤でも使い方で泡の立ちかた全然違うし、もちろん髪の傷み具合も違うのです。

最後にお客様にスカルプシャンプーの上手な洗い方を伝授させて頂くと「それでやってみます」と喜んで帰られました。

世の中にはシャンプーに限らず泡の好きな人が多いようですが、泡立ちや泡切れ(泡が中々消えないもの)が悪いものほど、危険性は高くなるという事も覚えておいて下さいね。

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スカルプシャンプー(洗浄成分を極力少なくして頭皮の健康を守ります)

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ヘアケアシャンプー(髪が多い人や長い人が洗いやすくするために少し泡立ちが良くなる設計にしていますが、それでもケラチン主成分の洗浄剤なので、髪の修復に優れています)

どちらの商品も安全性を追求し、生分解性を最優先しているため、市販のシャンプー剤よりも気泡は少ないかもしれません。