クレール美容室のブログ

現役の美容師にしか分からない美容の本音を書き綴っています。

消費者も凄い情報を持っていますね

昨日、お客様から「うちの嫁がヘアコンディショナーを買いに行くので宜しくお願いします」と言う電話があり、聞けば里帰りされた時にシャンプーとコンディショナーを使った時に、その使用感が気に入られ、さらに裏の表記を見て「お母さんコレは凄い処方ですね、市販の物ではまずありえません」と言われたそうです。

何を見てそう思ったのかは分かりませんが、わかる人がこの表記を見たら市販商品はもちろんの事、サロン専用の商品でも同じようなものは、ほとんどありません。
それは処方組みが独特なことに合わせ、純コストがかなり高いからです。
例えば化粧品の良し悪しは配合成分は表記が同じものでも原料のメーカーやグレードによって価格も性能もバラバラです。
一つの例をあげると『ヒアルロン酸』も様々なグレードがあり、私達が配合しているものは粉末タイプで1kgあたり30万円程しますが、一般の化粧品には1L(液状)で数千円ぐらいの物がよく使われます。
その差は原料に含まれるヒアルロン酸の純分の差であり高純度のヒアルロン酸などは腐敗の恐れからフリーズドライにされ不純物を取り除き、純分はほぼ100%のヒアルロン酸であるのに比べ液状タイプは、そのほとんどが水や防腐剤であり、ヒアルロン酸の純分は僅かに数%しかありません。
それでも表記は同じようにヒアルロン酸と書けるので一般の化粧品には低コストの液状タイプを使うのです。つまりは、本来の性能よりもイメージ重視と言う事ですね。
もちろん、その他のエキスもこれと同じように名称が同じでもかなりの差があると言う事です。
その差は、使えば使うほどに出てくるのです。
でも、これはさすがに消費者の方々もわからない事だけど、だからこそ低価格の商品がたくさん存在するのですよ。特に大手の化粧品メーカにの商品ほどコストダウンのために良く使われる手法ですね。
それにしても、最近のネットでの情報収集はすごく簡単にできるので、消費者の方々も物凄い情報を持っていますね。
でも、これだけはハッキリしています。本当に良いは必ずコストが掛かっていて、低価格の物では良質(上質)の物が作れない事も紛れも無い事実である事を。