クレール美容室のブログ

現役の美容師にしか分からない美容の本音を書き綴っています。

それでも幸せです

昨日は長年お付き合いのあるお客様とお話をしていて、幸せの価値観を改めて考えさせられてしまいました。

そのお客様とはもう20年ぐらいになりますが、初めてご来店下さった時に重度のアトピー性皮膚炎を患っておられました。

聞けば2歳の時からステロイドを常用していて、様々な副作用が出ていたようです。

中でも一番の問題はステロイドによる若年性の白内障緑内障など目のダメージで、既に7回にも及ぶ手術をされ「これは薬害ですね」と話しておられました。

最近はいよいよ視力が無くなって来て「この先、何時見えなくなるか分かりません」と言いながら「でも逆に、この年になるまで見えたから」と何時もと同じように笑っていました。

もしも自分が同じ状況になったなら、こんなふうに受け止められるだろうか?と思ってしまいます。

私がヘアケア商品やスキンケア商品を開発するようになった一つの要因には彼女との出会いもあり、粗悪な化粧品により髪や肌の調子が悪くなっている人もたくさんいる事を知らされたからなのです。

そんな彼女に思わず「可哀想ですね」と声を掛けると、彼女は「私よりも若い年齢で亡くなってしまった友達もいるので、その人たちの事を思うとそれだけでも幸せですと話してくれました。

そして当店との縁があったことや、達人のメガネ屋さんを紹介させて頂き「医者にメガネは出来ないと言われていたにも関わらず、凄く楽に見えるメガネを作って頂いた事にも感謝しています」と話してくれました。

幸せの価値観は人によって違うけど、どんなときにも前向きで明るさを忘れない、そんな彼女のためにもまた良い商品開発を続けて行くことを強く感じました。