クレール美容室のブログ

現役の美容師にしか分からない美容の本音を書き綴っています。

「美容師だから」そんな問題ではない

昨日、お客様から「娘の友達が美容師をしていますが手荒れが酷くて悩んでいる」との相談を受けました。

話を詳しく聞くと、初めは大型チェーン店(当店の近くにもあります)に就職したのですが、直ぐに手荒れが酷くなり先輩には「ストレスじゃないの」と言われたそうですが、その後一向に治らないとの事で退社したそうです。

その後、しばらくの間仕事を離れると良くなったそうで、諦めかけた美容師への夢を捨てきれず、少し規模の小さなお店で働き始めたそうです。

しかし、そこでもまた手荒れが酷くなったそうです。

先日、娘さんのところに遊びに来た時に「それはシャンプーのせいじゃないの?」と言うと、現在働いている店のオーナーからは「以前の店のシャンプーの毒が残ってるからアレルギーが出ている。しばらくしたら良くなると思うよ」と言われたそうです(シャンプーを毒?そんな意見すらびっくりですね)

残念ながら、そのお店は二軒とも知っていますが、いずれも私的には残念なお店である部類に入っています。

それにシャンプーのアレルギーなら初めのサロンを退社してからも良くなる事はありません。

なぜなら、その後も毎日のように自分の髪をシャンプーをしているはずだから、もしもシャンプーにアレルギーを起こすのなら、いつまでも症状は無くならないと思うからです。

これは典型的な粗悪な業務用シャンプーの生分解性の悪さからくるバリア層の破壊が原因です。

美容師の手荒れの原因のほんとんどが、このような原因によるもので、かつて当店にも酷い手荒れで他店で働いていた時に美容師を諦めたスタッフが2名ほど来ましたが、いずれのスタッフも3年近く当店で毎日シャンプーをしていましたが退店するまで一度も手荒れを起こした事はありませんでした。

それよりも問題は、単なる美容師の手荒れと思われがちなのですが、そのような粗悪な業務用シャンプーにより、お客様の頭皮頭髪を洗う事は、スタッフの手荒れと同じように髪や頭皮に損傷を与えているのです。

今でも経営を守るためのコストダウンが必死に行われているようですが、その為に大切なお客様やスタッフを失う事の方が実はとても残念な事だと思います。

私もアレルギーがあり、超敏感肌なのですが自分が開業してからは手荒れに悩まされる事一度もはありません。

それでも手荒れで苦しむ知人の為にと、最近はハンドクリームを作って手渡したところ、「是非とも商品化してください」とのご要望を頂いたのでメーカーにも打診して商品化する事となりました。

今日は、その手荒れしている女の子の為に一つ差し上げましたが、あくまでも対処療法になるので根本的な原因を断つ為にも、もっと誠実な経営者を選ぶのが良いとは思いますけどね。

帰り際には「その娘をここに勉強に来させるわ〜」って言われましたが、美容師を夢見て頑張っているのだから他店のスタッフさんとかは関係なく色々と教えてあげたらなと思い「いつでもどうぞ」とお答えしておきました。

美容師の手荒れの問題は本当に多いと思いますが化学的な薬剤を使う仕事だけに、ある意味は宿命でもあるのかも知れません。

しかし、その原因のほとんどが粗悪な商材によるものであると思うので、この問題を「美容師だから仕方がない」と済ませてしまう経営者には一番問題があると思います。

そんな質の悪い店ばかりでも無いと思うので、自分の働く店をしっかりと選んで欲しいとおもいます。

頑張れ、若き美容師さん。